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March 20, 2005

河合奈保子・SUMMER HEROINE

健康的な水着写真をジャケットに持ってきているとおり、フォトジェニック・アイドルとして勝負に打って出たアルバム。

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題名どおり、夏向きなアルバムである(1982年7月21日発売)。全10曲中、7曲が竜真知子作詞・馬飼野康二作曲という、ヒット曲「スマイル・フォー・ミー」作家陣の曲で占められている。両氏のシングル作品である「ラブレター」「夏のヒロイン」も収録されており、レコードセールスをかなり意識したのではと思われるが、そうした販売方針とは別に、この後にリリースされる名盤「あるばむ」以降に繋がる兆候も見られる。

一つ目は、作家陣として、初めて、竹内まりや(作詞・作曲)を起用したことであろう。4曲目「アプローチ」がそれであるが、後の「けんかをやめて」に代表される、上質のティーンエイジポップスが、この曲にも体現されている。この曲の印象が制作陣に好評であり、後のシングル制作に繋がったのか、あるいは、すでに次期アルバム「あるばむ」のコンセプトが決まりかけていて、そのテストケースとして作られたものかは、想像の域を出ない。しかし、最初の竹内まりや作品が「SUMMER HEROINE」の中にあったことは、記録に留めておいていいだろう。

二つ目は、本格バラードへの挑戦である。5曲目「帰れない」や9曲目「Please Please Please」(いずれも竜真知子作詞・馬飼野康二作曲)は、以前のアルバムに多く見られた、伊藤アキラ作詞によるマイナー調ポップスとは、一線を画する仕上がりになっている。特に、「Please Please Please」は、最初スローテンポで始まり、次第にテンポが上がり、サビの部分ではボーカルが声を張り上げる形式は、中期・河合奈保子の曲構成に通じるものがあるのではないだろうか。歌詞も失恋することになった女の子の切ない心情を綴っていて、収録曲中ではj「ラブレター」に次ぐ名曲ではないかと思う。

終曲「もうすぐSeptember」では、夏の恋が終わったあとで、ひとつ成長した自分を見出す。アイドルカラーの強い「SUMMER HERIONE」であるが、ある意味、ボーカリストに向けての階段に足を踏み出し始めたアルバム、といえるだろう。

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